ドイツのベストセラー小説 どうやら王様の世界では子ども時代が人生の終わりにあるらしい。僕らのところとは違って……。
おまえたちは、はじめにすべての可能性を与えられているのに、毎日、それが少しずつ奪われて縮んでいくのだ。それに、幼いうちは、おまえたちは、知っていることが少ないかわりに、想像の世界がやたら大きいだろう。どうしてランプに明かりがつくのか、テレビの画面に映像がうつるのか、理屈がわからないから、想像しなくてはならなかった。
この本と初めて出会ったのは中学生の頃だったと思います。
本屋さんで見つけ、表紙の絵に惹かれて購入しました。
当時の私は本を読む習慣が全くなかったのですが、そんな私が購入してしまう程、ミヒャエル・ゾーヴァさんの絵に心奪われてしまったのです。
ある日、ふらりと僕の部屋にあらわれた、僕の人差し指サイズの気まぐれな小さな王様。
どうやら王様の世界では子ども時代が人生の終わりにあるらしい。
中学生の時に持っていたものは今は手放してしまったのですが、図書館で見つけて懐かしくなりました。
大人になって読んでみると、また感慨深い。
大人になるって何だろう。単に年を重ね、体が大きくなり、知識を蓄えていく。それだけで大人になったと言えるのか。そんなことを考えさせられます。 (かよたさん 20代・その他の方 )
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