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一度死んだハズの“ぼく”はもう一度下界生活をやり直すハメに。シリアスなテーマを軽やかに描いたハートウォーミング・コメディ。
児童文学といって良いのかどうか判らないのですが、絵本ナビで森絵都さんの作品と知り合って手に取った一冊。
中高生に薦めたい一冊には間違いありません。
死んだ中三の小林真の体に入り込んだ、同じく選ばれた死者の魂としての僕。
真が何故死んだのか、真はどういう人間だったのか、第三者としての僕はそれを探りながら、自分としてどのような生き方をしたいのか、どのように考えれば良いのかを、自分に問いかけ、行動していきます。
すると、いろいろなものが見えてくる。
真は死ななくて良かったのではないかと思えてくる。
生き返ったら、こんな生き方をすれば良いのにと思えてくる。
実は自分が小林真の魂だったというのは話し過ぎかもしれませんが、この小説に描かれている自己回帰は、中高生が自分を見直すためにもとても良い本だと思うのであえて公開。
この本を読んで、自分を見直すきっかけになったら、自殺を思いとどまっることができたら、森絵都さんのいう『ぼくだけのこと』の思想が幼児からヤングアダルトまでに拡がるのではないかと思いました。
死を題材にしていながら、軽妙なストーリー展開と、生きること、自分を認めることへの強いメッセージ性は素晴らしいと思います。 (ヒラP21さん 50代・パパ 男の子13歳)
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