読み聞かせの現場で大人気という絵本『こんたのおつかい』。にこにこ可愛いきつねがおつかいに行くほのぼのとしたストーリーかなと思いきや、開いて納得。これは驚きます。予想をはるかに超えた、大迫力の天狗、オニ、妖怪・・・!?これがまた水墨画を彷彿とさせる描写で更に雰囲気を盛り立ててくれるのです。このギャップ感も堪りませんが、こんたのくるくる変わる表情、作者の性格まで伝わってくるような(!)大胆すぎる構図など個人的にもとっても好み。 そして嬉しい続刊が『こんた、バスでおつかい』です。今度はおばあちゃんにおいなりさんを届けるおつかいです。 「あかいバスに乗っていきなさい。あおいバスにのってはだめよ。」おかあさんに言われて元気よく出かけたこんたですが。 あれれれ、そのバスは・・・? 今回もこんたはそのつぶらな瞳を思いっきりうるうるさせちゃっています。期待通り子ども達を大喜びさせてくれます。 それにしても、こんな世界が日常茶飯事だとしたらきつねの世界というのはなかなかキビシイものですね。いや、人間の世界だって一歩道をはずれると・・・後は子ども達が勝手に想像を膨らませてくれますね。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
★作者の田中友佳子さんに本作品のみどころをお伺いしました!
こんたシリーズの第2弾は、やはりこんたのおっちょこちょいから巻き起こるストーリー。ただ、こんたは前回より少し成長しています。前回お母さんの言うことを聞かずに痛い目にあったこんたは、今回は教わったとおりのバスに乗ろうとしたのですから。でも結局バスを間違えてしまうところが、おっちょこちょいのこんたの憎めないところです。 この絵本にも、迫力満点のおばけがたくさん登場します。こんたはバスに次々と乗り込んでくるおばけたちにびっくりしながらも、お母さんに言われたとおり、5つ目のバス停で降りねばなりません。こんたと一緒にバス停の数を数えながら、絵本を読み進めてみてくださいね。おばけが乗ってくるたびに怖がるこんたの、顔やしっぽの表情の変化にもご注目!
こぎつねのこんたは、お母さんにおつかいを頼まれました。バスに乗って、おばあちゃんの家まで、おいなりさんを届けるのです。ところが、まちがって「のってはだめよ」といわれていた、あおいバスに乗ってしまい…? こわーいおばけや妖怪たちが、ぞろぞろ現れ、迫力満点! おっちょこちょいのこんたのおつかいを、ユーモアたっぷりに描きます。 読みきかせにぴったりと評判の、『こんたのおつかい』待望の第2弾の登場です!
おかあさんに頼まれて、バスに乗って、おばあちゃんちにおつかいに行くことなった、こんた。いつつめのバスで降りることだけは覚えていたが、バスを乗り間違えてしまい、とってもこわい乗客と一緒に乗ることになる。
幼稚園、小学生の子どもたちに、おはなし会で読み語りをしたのですが、最初は、真剣に見てなかった小学生の男の子も、どんどん出てくる、恐ろしい乗客と絵の迫力、こんたを自分と置き換えて、無事おつかいができるか、ドキドキしながら、物語に入り込んでいました。話のオチに幼稚園児よりも、いい反応をしてくれて、読み手としては、大満足でした。 (ひだまりくらぶさん 40代・ママ 男の子16歳、男の子13歳、女の子8歳)
|