第二次世界大戦中、アウシュビッツのガス室で13年の生涯をおえた少女。彼女が残したスーツケースに偶然出会った日本人女性が、少女を探す旅に出ます――。
アウシュビッツで殺された13歳のハンナ。
日本に送られた遺品の旅行鞄から、ハンナの生き方をさがす旅が始まります。
日本のホロコースト教育資料センターの石岡史子所長の執念が、いろいろな事実を探り出します。
ドキュメンタリーとしての文章の息の詰まる展開。
家族皆がアウシュビッツに送られ、記録もはっきり残されていない…。
そんな状況だから、表紙を飾る写真も、途中に挟み込まれた写真も、なんとなくイメージ画像のように思っていたら…。
最後に、感動的な展開がありました。
写真は本物だったのです。
旅の果てに巡り合えたハンナのお兄さん。
ハンナの家族の悲劇と、ナチスの非情なユダヤ人迫害政策に衝撃を受けていただけに、残された光を見ました。
あまりにあどけない13歳の少女は、有無を言わせず命を奪われました。
言いようのない怒りを、二度と繰り返してはいけないことを心に念じて、ハンナの写真に哀悼を尽くしたいと思いました。 (ヒラP21さん 50代・パパ )
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