ムッシュ・ムニエルはヤギの魔術師です。
この街に弟子を探しに来たのです。
子どもをひとりさらっていって、魔術を教えながら仕事を手伝わせるつもりです。
ホテルの部屋に入ると、早速ムニエルは魔術の支度にかかります。
魔術の力で昼間にすれ違ったあの少年をさらっていこうというのです!
ムッシュ・ムニエルはなんて恐ろしい魔術師なのでしょう!?
いえいえ、なんだかどうもそんな風には見えませんよ。
ムニエルがひみつの呪文を唱えれば、小さなからっぽのビンがへんなさかなに姿を変えて、ふわりと飛んでいきます。少しずつ大きくなりながら、ねらった少年の前に現れます。ところが、戻ってきたビンの中身を見ると・・・?
結局ムッシュ・ムニエルはとても心やさしい紳士なのです。
街並みはどこかノスタルジック、黒いコートに大きなかばんを持ったムニエルはモダンな雰囲気。
大人っぽいような、でも子どもたちの心を強烈に惹きこんでしまう、それが佐々木マキさんの描く摩訶不思議なユーモア絵本の世界です。
『ムッシュ・ムニエルのサーカス』『ムッシュ・ムニエルのおつきさま』もあわせてどうぞ。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
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