病気で休み早く寝てしまった息子が夜中に「寝られない」と言うので30分ほど読んだ本です。
途中で切ってしまうことができず最後まで一気に読みました。続きが気になったからです。
女の子が、魔法使いに悪口を言ってしまい鳥に変えられてしまいます。
「星のおはじき」(「夢の果て」収録)はいじめられた方の立場の女の子。こちらのお話は、いじめっ子側の女の子です。
女の子はきれいで頭もいいのに悪口を言ってしまうのです。
たとえば
「わたし、ひとのしあわせを見ると、いらいらするの……」
かめに対しては
「そんなきたない声のひとは、えいきゅうにだまっていてほしいわ。だまって、ひとのめいわくにならないように、息をひそめて生きてほしいわ」と。かなり辛口な発言。
女の子はかめから
「だれの胸の中にも、かまどがあるんだよ。でもね、それがよく燃えているひとと、あまり燃えていないひとがある。あんたの胸
のなかのかまどは、ゴーゴー音をたててまっ赤に燃えてるよ」と心の中を言い当てられます。この表現が子どもにもよくわかる表現だと思いました。
女の子が悪口を言わないようにするにはどうしたのでしょう?元の女の子に戻れたのでしょうか?
昔話風な展開の中に、いじわるをする女の子の心理・現代的な問題も盛り込まれていて惹き付けられました。
安房さんの描く女の子、どちらかというと優しい、かよわい女の子の作品が多いように感じていたのですが、このような作品も書いていたことに驚きました。
林静一さんの一部分影絵のような絵もとてもよくマッチしていると思いました。
(はなびやさん 40代・ママ 男の子7歳)
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