まっしろな絵本の画面のはじっこを、黒くて小さなありさんが一列に並んで歩いていきます。 「ああ、おもしろい!」 理屈なんかふっ飛んで、穴から出てくるありさん一匹一匹を、夢中になって見ている自分に気がつきます。 何だか懐かしいこの感じ。 「どこに向かっているんだろう」「どうして列がくずれないのかな」 色々考えながら、時間も忘れてじーっと地面を眺めていた子どもの頃の記憶が、絵本の中の「ぼく」の視線と重なって蘇ってくるのです。
作者が、ロングセラー絵本『ふしぎなナイフ』の中村牧江さん&林健造さんだと聞けば納得。シンプルな文章、画面構成やデザインなどの洗練された雰囲気と、小さいながらに驚いたり喜んだりするありさんの愛らしさ。その相反する魅力の組み合わせのバランスがとても面白いのです。こんなふうに、見た瞬間にワクワクしてしまう絵本に出会えると、本当に嬉しくなってしまいますね。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
穴から出てきた、ありさんたち。みんな、ちゃーんと一列に、どんどん、どんどん、歩いてく。 いったいどこまで行くのかな?いったい何があるのかな?
子どもは、ありの行列を見つけると、あきることなくジーっといつまでも、いつまでも見ています 小さい生き物を観察するそんなまなざしと、生き物へのやさしい気持ちをシンプルに描きます。 ぜひ、親子で対話しながら読んで下さい。
外出しているとよくありさんを見つけて眺めている2歳の息子。この絵本にも興味を持ってくれました。
見開きを使ってありさんが本の上を歩いているようで面白いです。
一列に並んで歩いたり、ビー玉が落ちてビックリして散らばったり。
シンプルな内容で小さい子でもわかりやすいです。ありさんが好きな子に。 (fumiさん 40代・ママ 男の子10歳、男の子2歳)
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