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40年にわたって自然と向き合い、身近な植物や虫たちの不思議なくらしを描きつづけてきた画家、甲斐信枝の世界を 精緻な文章に美しい絵をそえて一冊にまとめたエッセイ集。
息子に絵本を読み始めて科学絵本も読むようになり、雑草など植物に関わる絵本は二年の観察を経て作られているというようなことを知りました。
この甲斐さんの本によると五年をかけて作られた作品もあるようです。
堀内誠一さんの『パリからの手紙』を読んだ時に、甲斐伸枝の『ひがんばな』は念がこもっていると評されているのを読み、元々興味があった甲斐さんの作品を読みたくなったと同時に、作品の背景も知りたくなりました。
「絵本の作り手として私が大切にしているのは『対象物への興味と愛情から発して対象に近づき、そのものから受けた驚きや感動を、絵と言葉によってお子さんに伝える」ことです。」
という甲斐さんの言葉はとても納得できました。と同時にこのことって、子育てにも通じることだなあと思いました。
対象となった植物や虫たちに向ける優しく暖かいまなざしあっての作品。
私たちはこのように植物の瞬間をとらえることはなかなかできませんが、作品を通じて、小さな命の瞬間や生命力に触れることができるのはとも幸せなことだと思います。
甲斐さんの絵本と共に作品の背景を知りたくなった時にお薦めの一冊です。 (はなびやさん 40代・ママ 男の子9歳)
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