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きつねの子が「漁師とおかみさん」という本をひろって、さっそく読んでもらいました。グリム童話(池内紀訳)のはずですが、父さんぎつねが勝手に作ったお話は、どうやら日本のおとぎ話に似てきました。
副題に「きつねがひろったグリム童話」とあります。
つまり、コン君というキツネの子が、森のはずれで本を拾ってきて、とうさんに読んでもらうんです。でも、とうさんキツネは、人間の字が読めないので、一度だけという約束で、自分の作ったでたらめのお話を読んでやります。
というわけで、上に本来のグリム童話が書かれ、下にとうさんキツネの作ったお話が書かれ、一つの絵本で二つのお話が楽しめるというしくみになっています。
上のグリム童話は、欲張りなおかみさんのお話。下のとうさんキツネの作ったのは、竜宮城のおとひめ様を人間界に招待しようというお話で、どちらも人間のエゴが書かれてて、決して感動するとか、ほのぼのするとかそういう話ではありませんが・・・。
発想のおもしろさと、「旅の絵本」で有名な安野光雅さんの絵を楽しめる点、最後の「コン君は、お話なんかどうでもよかったんです。とうさんにだかれて、耳もとでとうさんの声がしていれば、それだけで、よかったんです。」という文章が気に入りました。 (ぼのさん 30代・ママ 男の子9歳、女の子7歳、女の子2歳)
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