
ぶたばあちゃんと孫むすめは、ずっと長い間、一緒に暮らしてきました。二人は何もかも、仕事まで分け合っていました。孫娘は朝ごはんを作り、ばあちゃんは昼ごはん。そして、晩ごはんは一緒にしたくをしました。 でも、ある朝、ぶたばあちゃんは、普段どおり起きてきませんでした。「なんだか、くたびれちまって」と、ばあちゃん。そんなこと今までなかったのに。孫むすめが朝ごはんを運んできたときも、お昼ごはんのときも、晩ごはんのときも、ばあちゃんは眠り続けました。そして次の朝、ばあちゃんはまだ直っていないのに起きてきて言いました。「今日は、忙しくなるよ。わたしはしたくをするんだからね」。「何のしたく?」と孫むすめが聞いてもばあちゃんは返事をせず、出かけて行きました。

ぶたばあちゃんと孫むすめのさよならの日々をつづった、心あたたまるオーストラリアの絵本。愛らしいブタというキャラクターが、「死」という重いテーマをポジティブに描きます。 生きること、愛すること、与えること、受けること――。逝きつつあるぶたばあちゃんと、今を生きる孫むすめのやさしい笑顔が、「生」の喜びをそのまま伝えます。二人で過ごす最後の日々は流れるように過ぎていき、読者の心を大きく揺さぶることでしょう。淡い水彩画が、軽やかに、かつ、しっとりと生きる喜びを描き、さわやかな印象を与えます。真実を示す美しい絵本です。 ――(ブラウンあすか)

死を予感して、したくをはじめるぶたばあちゃんと、悲しみをこらえて寄り添う孫娘。ふたりの生と死の受けいれ方を描く。

この本は私のナンバーワンブックです。
全くの私事ですが、亡き母とぶたばあちゃんを重ねているのです。
次男は「この本を読むとおばあちゃんを思い出す。。。」としんみり言いました。
死を悟り、孫娘に静かに暖かくお別れをするぶたばあちゃん。そのお別れを、小さい胸を痛めながらも懸命に受け止める孫娘。何度読んでも号泣してしまいます。絵の素敵さも胸にしみてきます。
小学校での読み聞かせでは高学年に読んでいます。何かしら感じてくれるものがあると信じて、丁寧に読んでいます。 (あすぱらこーんさん 30代・ママ 男の子11歳、男の子10歳)
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