
マドレーヌシリーズの生みの親、ルドウィッヒ・ベーメルマンスが約50年前に描いた秀作です。日本では初翻訳の絵本。 その昔、アメリカやヨーロッパ各地で行われていたきつね狩りは、当時の人々の楽しみの一つでした。 朝、ラッパの音とともに、猟犬を連れ馬に乗った大勢の人が集まり、匂いを頼りにきつねを追って夕暮れまで野山を駆け回るのです。家族じゅうで参加して、その様子を見て歓声をあげるのです。 でも、ここにでてくるきつねは、ただ追いかけられていたわけではありません。きつねにももちろん家族がいて、人間たちをあざ笑うかのように知恵を使って逃げ回ります。さて、人間ときつね、どっちがうわてでしょうか。
小学校低学年から。
原詩/ビーヴァリー・ボガート

約50年前に出版されたというお話。
お話そのものに形があるわけではないのだけれど、それなりの年月を経て語り継がれてきたものって、年月にふさわしい重厚感というか、趣があるなと思います。
当時、各地で行われていたきつね狩り。
人々にとっては、心躍る大イベントです。
でもきつねにとっては、迷惑を通り越して災難でしかないですよね。
そんな風に、人間ときつね、双方の目線にたって描かれています。
そんな中、知恵をはたらかせて逃げ切るのは、古ぎつね。
当時の文化を知り、知恵をはらかせることの大切さも教えてくれるお話でした。 (しゅうくりぃむさん 40代・ママ 女の子10歳)
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