強大な王が君臨する古代ペルシア。十四歳の少女ミトラと五歳の弟ババクは、崖の洞穴に隠れて暮らしていた。父親が王に謀反を企て失敗したために、生まれ育った町から逃げてきたのだ。共に逃れた兄は、隠してある金を取りにいったまま帰ってこない。そんなある日、ババクには人の持ち物を身につけて寝ると、その人の望みを夢に見る力があるとわかった。ババクに夢見をさせようとする祭司メルキオールの隊商で、ふたりは旅立つことになる。だがやがて…?ふたつの星が三度接近すると、新しい王が誕生するという祭司の夢はなにをさすのか? メルキオールの隊商はどこを目指しているのか?王家の血をひく誇り高き少女の旅が、キリスト生誕の伝説に結びついて…? 中東を舞台に展開する壮大な歴史ロマン。
|