少年の「ぼく」が主人公です。ある日のこと、「たしかに ぼくは ここにいるんだけど そのぼくは ぼくじゃないみたいなんだ」と思うのです。そうなる と壁紙の風船模様も子どもっぽいし、友だちのジャックが来ても、いつもするビー玉遊びなんかしたくない。「また遊ぶ?」と聞かれても「たぶん遊ばない」と 素気ない。部屋のおもちゃももういらない。それまで面白いと思わなかった貝に興味がでて、図書館で調べてみたくなる。おもちゃをぜんぶ箱の中にしまうと、 なんかさっぱりして、「パンダや、カードや、ビー玉で あそんでいた今までの僕は、いなくなった。そして、僕は いま ここに いる僕は―あたらしい僕な んだ」 と終ります。
河合隼雄さんが絶賛してくださった絵本。
「ぼくは ぼくじゃないみたい」体験は、子どもが自己実現に向かって成長する一つの段階なのです。
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