面白いお話ですが、面白いだけに終わらず、意味深さを感じてしまいました。
オオカミから身を守るために、牙を「装備」した羊たち。
アラビアのりなどという、レトロ感覚たっぷりののりで、死んだ動物たちの骨などを口に装着。
まさに付け焼刃的、自己防衛。
確かにオオカミから身を守ることはできました。
ところが、自らの歯をおったりして牙をつけた羊たちには、草が上手に食べられない。
それだけではなく性格も変わっていきます。
草食系から肉食系へ。
自己防衛から覇権主義へ。
肉食を覚えていきます。
戦い方を知らないでそろえた武装が、決して自分のためにならないことは、子どもたちの世界にも、大人の世界にも、国際情勢の間でも、想像すればいろいろと思い浮かぶことがあります。
最後のシーンが、意味深長です。
牙をつけた羊と、牙をつけたカモシカとの対峙。
笑い話で済むのでしょうか。
血みどろの憎み合いの前兆でしょうか。
良く考えると、とても怖いお話です。 (ヒラP21さん 50代・パパ 男の子15歳)
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