ねみちゃんが
また ホットケーキを
つくってくれるんだって
ウキウキしながらやってきたねずみくんと仲間たち。でも「3時になったらホットケーキのおやつよ」といわれたみんなは待ちきれません。かくれんぼの合間に「はやく3じにしてしまおう」と、かわるがわる時計の針をすすめてしまいます。あっという間に3時になった時計をみて、ねみちゃんはおおあわて……。
でもね、実は、ねみちゃんのほうが一枚うわてなんです。みんなの出来心に、今回もいかにもねみちゃんらしいいたずら心でこたえます。みんなのばつが悪そうな、とっても残念そうな顔といったら! 最後はねずみくんのやさしさで、ほかほかのホットケーキみたいにまあるくおさまります。
何度も登場する時計の絵は、子どもたちが時間に興味を持ついい機会になるかも?長い針と短い針があるアナログ時計、時計を読めない小さな子でも時間がすすむ感覚が伝わります。これをきっかけに、お出かけのときに「長い針が5まできたら出発だよ」なんて生活に時計を取り入れてみるのもいいかもしれませんね。
ところで最後に残る疑問は、時計の針をすすめちゃったみんなも私たちも、「でも……どうして ねみちゃんは ぼくたちが とけいを うごかしたのが わかったのかなあ?」。たねあかしは最後のページ。子どもも大人も、思わず数ページ戻って確認しちゃいますよ。
(三木文 絵本ナビライター)
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