かあさんはブルータイル食堂で働いています。わたしもときどきお手伝いをして、もらったお金はかならず半分、あの「びん」に入れておきます。いつかこの「びん」がいっぱいになったら、そのお金全部で椅子を買いに行くのです。すごくふわふわで、すごくきれいで、すごく大きな椅子……。世界中で一番すてきな椅子を買うのです。
鮮やかな水彩画が印象的な絵本。本作品と続編『ほんとにほんとにほしいもの』『うたいましょうおどりましょう』の3部作から成ります。 主人公の少女は母親と祖母の3人暮らし。火事ですべてを失うという苦境の中、明るく前向きに日々を送る3人の生き様は、多くの読者を引きつけるでしょう。アパート暮らしとなった今、世界一の椅子を買おうと、家族みんなが奮闘。助け合いながら生きる姿は、家族本来の意味を示します。米国社会に生きるマイノリティー一家のバイタリティーは、水彩画の色使いにも表れます。ビタミン剤のように元気を与えてくれる一冊。 ――(ブラウンあすか)
ウェイトレスをして一家をささえる母親のために、布張りの大きないすを買うまでを描く。少女の素朴な語り口が印象的な絵本。
読み終わった後、一つの映画を見たような感じを受ける絵本です。
私とかあさんとおばあちゃん、女3人の家族。
火事で、なにもかも焼けてしまって、家族が助け合っている様子が伝わってきます。
女の子は、大きなビンいっぱいにお金を貯めて、世界一素敵な椅子を買うという目標があります。
仕事で疲れた母さんを休ませるために。
おばあちゃんが鼻歌を歌いながら、料理ができるように。
願いどおりの椅子を手に入れたとき、こっちまでうれしくなりました。
母さんと一緒に椅子に座って、眠ってしまった女の子をみて、小さな幸せを感じました。 (くるりくまさん 30代・ママ 女の子9歳、女の子6歳、男の子3歳)
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