
アーサーは、やさしくて、おもいやりがあって、すばらしい息子です。でもときどき…。アリクイのアーサーの愛すべき毎日を、あたたかな文と絵で描いたおはなし。

アリクイのお母さんと、その息子アーサーとの日常のちょっとしたやりとりが5話、描かれています。どちらかというと地味な絵本です。使われている色はピンクと黒、グレー、茶色のみ。大きな起承転結があるわけでなく、ハラハラドキドキすることもありません。でも、十年以上前、まだ小さかった娘はこの絵本が大好きでした。読み手である私にとっても、何か安心感があり、この絵本から得られるほっこりした感じを、家族で楽しんでいました。
この絵本の魅力はなに?と改めて考えてみました。「うちの息子、こんなに困った子なんですよ〜」といいながら、アリクイのお母さんは、常にその息子に向き合っています。ユーモアと大人の対応を交えて。困った子にぶつぶつ言いながら、でも、まるごと受け入れてくれるお母さん。子どもはきっと、こういうお母さんや愛情を欲しているのでしょう。子どもは愛されたいのです、アーサーのように。そして、愛したいのです、アーサーのように。だから、この絵本が子どもの心をつかむのだろうなぁ・・と思いました。 (なみ@えほんさん 50代・ママ )
|