「クリスマスの前の晩のことでした」で始まるクレメント・ムーアの物語詩。1822年のクリスマス前夜、ムーアは子供たちを喜ばせようと『セントニコラスの訪れ』と題する詩を書き、この詩が後に『クリスマスの前の晩』(T was The Night Before Christmas)としてよく知られる米国の古典となりました。今でもクリスマスが近づくとあちらこちらで耳にする口承詩には、クリスマス前夜のワクワクした喜びと不思議な神秘が満ちています。
イラストは1902年、『オズの魔法使い』の挿絵で知られるウィリアム・W・デンスロウが姪のために描き上げたもの。ちょっぴり劇画風でコミカルなスタイルは、100年前の作品とはいえ逆にモダンな印象を与えます。
時代を感じさせる丁寧な布の装丁からは、作り手のまごころが伝わってきます。
――(ブラウンあすか)
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