「もう おひさまは のぼったかな」
もぐらくんが地面から顔を出した瞬間、その事件は起こったのです。もぐらくんの頭の上に降ってきたのは……うんち! (それは茶色でふっくらとしていて、もぐらくんの頭にちょうどいいサイズで!?)
「なんて ひどいことを!」
怒ったもぐらくんは犯人捜しに乗り出します。
「ねえ きみ、ぼくの あたまに うんちおとさなかった?」
ハトやウマ、ウサギにヤギ、次々に聞いてまわるのですが…なんというか、その姿の滑稽なことと言ったら。だってもぐらくん、頭の上に「うんち」を乗せたまま聞きまわるのです。とっても怒った顔して、頭の上にはうんち。こんなの、笑っちゃいます。その上、みんなの返事の仕方ときたら……。
読者の予想を超えた、とんでもない出来事から始まるこの絵本。ところがその驚きはページをめくる度に大きくなっていき、最高に可笑しくてちょっぴり愛らしいラストへと続きます。とてもわかりやすい構成になっているのと同時に、その描き方もセンス良く、気が付けば大人も子どももすっかり「うんち」の虜!? ドイツからやってきた明るく愉快な絵本、みんなで一緒に読むのも盛り上がるでしょうね。
ところでこんな悪さをした犯人、一体誰だったのでしょう。それは読んでのお楽しみ!
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
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