
うちのママはおこってばかり。「さっさとスープを飲みなさい! テーブルにひじをつかないで! 足をぶらぶらさせちゃだめよ!」。そんなとき、ぼくは立ち上がって、おまじないを唱えるんだ。「ホークス ポークス ヒンウントへル……」。すると……。

最初のページのママの態度、思い当たるママたちもいるかもしれません。タイトル通り、大きなくまになった「ぼく」。赤い椅子を運びながら、校長先生に命令したり、自動車を運転してみたり、願望を達成していく「ぼく」の行方が気になります。苦笑を提供する出だしから、主人公の願望が描かれるそれ以降の展開は、一体何を表すのか……。大人も子どもも興味津々でページをめくることになるでしょう。ドイツを代表する児童文学者ヤーノシュの人気作品です。 ――(ブラウンあすか)

ぼくは、おまじないを唱えるだけで、大きなくまになれるんだ。なんでもできるぞ! 強いものにあこがれる子どもの心理を描いています。

2歳8ヶ月の息子が、以前同じ作家の『それゆけフェルディナント号』をすっかり気に入ったので、こちらも読んでみました。
現実世界でつまらないことがあった(この絵本ではママに叱られた)男の子が、想像の中で変身して、普段歯が立たない相手をぎゃふんと言わせてやる!というありがちな話ですが、この熊は人助けもするし、なかなか楽しい展開です。最後のガールフレンドが登場するあたりは、さすがヨーロッパと感じてしまいましたが・・。
独特の鮮やかさのある絵も素敵です。
息子はストーリーのある絵本はたくさん読みますが、まだ変身は理解できないようで、きょとんとしたままでした。もう少し大きくなってからまた試してみたいと思います。 (さみはさみさん 30代・ママ 男の子2歳)
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