小さな女の子まゆが雑木林の奥で出会ったのは、とんでもなく大きな体をした鬼。ぎらぎらひかる目玉、頭の上には2本のツノ。しかもお腹が空いている様子。
まゆは、鬼なんて見た事もなかったので、「かわってるな」としか思いません。まゆを食べようと誘い出す鬼に、ぴょんぴょんついていってしまいます。大丈夫かしら…?
ところがこの後、驚くべき事が起こるのです。鬼がお湯を沸かすのを手伝おうと、まゆは近くに生えていた太い松の木をめきめきっと引っこ抜き、ばきばき折って、あっという間に薪の山を作りあげてしまったのです。なんて怪力……実は、彼女は山姥の娘だったのです!!
なんとかまゆを食べようとする鬼と、天真爛漫で愛らしいのに想像を絶する怪力のまゆ。そのやり取りの愉快なこと! ドキドキしながらも、小さな読者は躍動感あふれる絵とストーリーにすっかり魅了されてしまうのです。まゆのお母さんである山姥の存在も気になって仕方がありません。
子どもたちの間で大人気となったこの絵本は、「やまんばのむすめ まゆのおはなし」シリーズとして続きます。合わせて楽しんでくださいね。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
山姥の娘まゆは、ある日鬼に会います。鬼はまゆを煮て食べようとお湯を沸かしはじめます。まゆはそうとは知らず、薪の山を作ったり、かまどの石を積んだり、手伝います。その怪力に驚いた鬼も、鍋のお湯が沸くころには、もうすぐまゆを食べられるとにんまり。ところがお湯が沸くと、風呂を沸かしているとばかり思っているまゆは、「お先にどうぞ」と言うなり、鬼を鍋に放り込んでしまいます……
「まゆ」シリーズは 本当に楽しい!
こどものともで 読んでから いっぺんで 親子共々ファンに なりました。
おにのたくらみを ことごとく 打ち返してしまう まゆ。
「天真爛漫なまゆ、ド肝を抜かれていくおに」
その表情の コントラストが おかしく 痛快なこと!
思わず 吹き出します。
結局 まゆとやまんばの 手のひらの上で 転がされていくおに。
「悪なんて、こんなふうに粉砕されてしまうものさ!」という感じが 残るところが 私は好きです。
小2の次女が 野性系なので、「まゆ」と重なって し方ありません。
寝る前に 4歳の末っ子に 読んであげようと 読み始めたら、次女がやってきて のぞき込み、最後まで 楽しんでいました。
何を思ったか、そのあと「まゆとおに」を小脇に抱え 部屋の中を しばらくウロウロと 動き回っていました。
「してやったり」的な いたずらっぽい笑顔でした。
何かが 呼び覚まされたのか?
そんな 我が家の「まゆ」を 見ながら、こちらが 楽しめました。 (読み聞かせパパさん 40代・パパ 女の子12歳、男の子10歳、女の子7歳、男の子4歳)
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