今日はいい天気。ご機嫌なぞうくんは、さんぽに出かけます。
すると、出会ったのはかばくん。
「やあ、かばくん。」
「おや、ぞうくん。どこいくの」
「さんぽだよ。いっしょに いこう」
ぞうくんとかばくん、一緒にさんぽに行くのかな?
…と思いきや。かばくん、こんな事を言っていますよ。
「せなかに のせてくれるなら いっても いいよ」
「いいとも、いいとも」
力持ちのぞうくんは、かばくんを背中にのせてさんぽです。
うーん、なんだか不思議な光景です。
すると、今度はわにくんに出会います。
「ぼくものせてよ」
ぞうくん大丈夫?こうして奇妙なさんぽは続きます。すると、さらにかめくんが…。
ぞうくんが途中でお友達に出会いながらさんぽを楽しむ、というわかりやすいお話なのですが、その光景が一目見たら忘られなくなるほどユニーク。だって、ぞうくんとかばくんとわにくんとかめくんが並んでいるのは…縦! そしてみんなが少し不安になる頃、予想は的中。「うわーーっ」「どぼーーん」大変、大変。でも不思議と爽快な気分になるのです。この展開、なんだかつみき遊びにも似ている気がしますよね。繰り返し読んでいる子どもたちは、今から起きるであろう出来事を知ってていながら、それでも毎回ドキドキしながらも待っているのです。小さな子どもたちは、このお約束の展開が大好き!
発売から40年以上経っても変わらず愛され続けているこの絵本。のほほんとしているぞうくんたちの表情や会話も愛らしいのも人気の秘密ですよね。読み方によっても雰囲気が変わりそう。ぜひ何回でも一緒に楽しんでみてくださいね。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
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