
「何かが足りない それでぼくは楽しくない 足りないかけらを 探しに行く」 ころがりながら、歌いながら、足りないかけらを探します。 みみずと話をしたり、花のにおいをかいだり、楽しみながら、野を越え、海を越えて進みます。 かけらを見つけますが、小さすぎたり、大きすぎたり。 ぴったりだと思っても、落としてしまったり、きつくくわえすぎて壊れてしまったりします。 そしてとうとう、ぴったりのかけらに出会います。 「はまったぞ ぴったりだ やった! ばんざい!」 ところが・・・。

さあ どうぞシルヴァスタインのふしぎの世界へ。 倉橋由美子がご案内します!
この魅力的で心にしみるイラスト物語が、地球の上で、花のように、風のように読まれ続けているわけ――を、あなたも見つけてください。
何かが足りない それでぼくは楽しくない 足りないかけらを探しに行く ころがりながらぼくは歌う 「ぼくはかけらを探してる、足りないかけらを探してる、 ラッタッタ さあ行くぞ、足りないかけらを……」

9歳のちびに読んであげたけどいまいち意味がわかっていないようでした。この絵本は絵は黒い太い線と完全な丸じゃないぼくがかけらを探しにでかけるだけの話かと思ったら、いろいろ考えていたら青年期にかかる人なら一度は迷うことのある自分探しの絵本だったのです。私も若い頃青年期にユング派で有名な河合先生の著書にはまり、かなり心の深いところまで自分探しをした経験があります。いくら探しても探しても自分があやふやでどれが本当の自分、絵本で言うところのかけらですね、わからなくなったこともあります。結局10年かけて見出した言葉は自分探しをして、どんなぶさいくでもどんなになっていても泣いていてもはじまらない。自分は自分、まあ悪い癖はいろいろあるけど、それも自分で汚いも綺麗も不細工も可愛いもぜんぶひっくるめて自分だからもう仕方がないじゃないのということでした。
青年期に読んだらいい絵本だと思いました。 (doruさん 40代・その他の方 姪9歳)
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