「ちびなんかあっちへいけ」って仲間はずれにされたみきおくんが、ひとりでつくった雪のかいじゅう“ゆきごん”。“ゆきごん”は正義のみかた、みきおくんのみかたです…。幼いときだれしもがもつ空想の友だちとの交流がおりなすメルヘンの世界。第18回読書感想文コンクール課題図書
ちっちゃいからと相手にされないみきお君が一人で作り上げた「ゆきごん」。
お母さんには解ってもらえなかったけれど、大事な友だちでした。
ゆきごんと遊びたいのだけれど、みきお君は風邪をひいてしまって外に出られません。
ゆきごんはみきお君を待ちながら、だんだん溶けていきます。
みきお君が元気になった時に、かすかに残っていた家の前の雪の跡。
しみじみとしてしまいました。
子どもの作り上げた空想の世界だけれど、とても大切な友だちだったのです。
お話がちょっぴり切なさをもっているところに来て、岩崎ちひろさんの淡い単色のえが、想像力を掻き立てます。
姿の見えないゆきごん。
背景に溶けてしまいそうな登場者たち。
雪の解けていく中でぽつぽつと表に出てくるどろんこ色でまとめられていて、心憎いばかり。
じんわりと心の中で溶けていくような絵本です。 (ヒラP21さん 50代・パパ 男の子15歳)
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