そろそろ学校に通い始める年になった妹のローラは、がっこうなんて行かない!行く必要がない!と、また得意の持論でアレヤコレヤと、屁理屈を述べています。
そんな妹を見かねて、学校に行くとこんないいことがあるよ!と説得にかかるお兄ちゃんのチャーリー。 どんなに学校の良さをアピールしても、いつもにも増して強情なローラは一向に受け付けず、ついには彼女のイマジナリーフレンド「ソレン・ロレンセン」を持ち出します。 チャーリーが、すかさず「ソレン・ロレンセンがお前の隣に座れなかったらどうする?」と切り出すと、ローラは初めて本気で学校に行くことを考え始めます。
そして、ついに学校に登校する日がやってきましたが・・・・。
新生活に飛び込む時の不安は、大人でもあるのに子どもなら尚更。 大人には理解しづらい、子どもの抱える不安を、彼女の空想の友達「ソレン・ロレンセン」という存在が浮き彫りにします。
妹をどこまでも心配し、手を焼くお兄ちゃんが今作でも健在。 同じく、「チャーリーとローラ」シリーズの『ぜったいたべないからね』『ぜったいねないからね』『ぜったいひとつだからね』も合わせてどうぞ!
(福田亜紀子 元絵本編集者)
チャーリーの妹ローラは学校に行きたがりません。忙しくて学校に行っている暇なんかないんだっていいはります。 またまたチャーリーが知恵をしぼってローラをまるめこもうとしますが…?
入学する前から「行かない」と言っているちょっぴり生意気な妹と、そんな妹を心配する優しいお兄ちゃんのユーモアあふれる軽快なやりとりがクスっと笑える不思議な魅力のシリーズ絵本です。
学校に行ったら数が数えるようになったり、字が読めるようになると熱心に説明する兄に対して、そんなのできなくていいと言い張る妹。でもうまく言いくるめるお兄ちゃんの頭の回転の速さに感心します。生意気で屁理屈だけど、やっぱり学校に行く不安があることが浮き彫りになり、そんな妹の背中をそっと押して勇気づけるお兄ちゃんの優しさに胸をうたれます。
入学の当日、妹が心配でそわそわするお兄ちゃんの様子がほほえましいです。そんな心配をよそに最後には家に友達を連れて帰ってくる妹。最後にお兄ちゃんに対して言う一言はやっぱり生意気だけど、入園前などに読みたくなる心温まる絵本でした。 (えりこママさん 20代・ママ 女の子1歳)
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