川端さんの初期の作品です。97年にBL出版から再販されています。初版は83年文化出版局、次に94年にリブロポートから再販されました。
紙粘土半立体画面にアクリル絵の具で着彩したというとても手のかかった作りで、物を作る人の執念のようなものを感じます。
お話は、地球上に命がまだ発生していないことから存在していた、すなつぶが長い年月をかけて石になり、岩になります。その間に、植物や動物が誕生して動物を狩る人間が現れる。人間は支配層を被支配層にわかれ、殿様の命令で村人達が岩を切り出して石垣を作り、城を築く。そして、そんな城がいくつも出来た時に始まるのが・・・
という内容を数え歌風に綴ったものです。
川端さんの反骨精神、権力への疑問、批判を感じる重みのある1册です。
視覚的表現の凝り方もさることながら、長い内容を数え歌にまとめるのもさぞかし苦労が多かったことと思います。子供達に、それも、小学生高学年ぐらいの子に、ぜひぜひ読んでほしい1册です。
絶版となってしまったのは、絵本であるにも関わらず内容が高度なので、適切な読者層に読んでもらえなかったのではないと思います。我が家でも、4歳の娘にと思って手に取りました。でも、4歳ではこの内容は難しい!
再販、再々版でこの本に出会えたことが嬉しいです。こういう良い絵本はずーーっと残るんですね。 (えっこさん 40代・ママ 男の子11歳、女の子8歳、女の子4歳)
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