さまざまな料理で使われている大根。生でも煮てもおいしい。薬味として主菜の味を引き立てたり、いっしょに煮たものの味を引き立てたり。人気も実力もあるのに、どこか奥ゆかしい。メインの食材を引き立てる脇役に徹している感じがします。日本でいちばん食べられている野菜なのに、なぜでしょう? その理由を考えるうちに、大根に「派手に生きるだけが人生じゃないぜ!」と教えられているような気がしてきます。
笑いました。
この絵本は月刊「たくさんのふしぎ」に載っていた作品です。
擬人化された大根の姿も可愛く、母子ですっかり魅せられてしまいました。
「大根はエライ」というと、
「なんで?」と聞かれたりする。
そんな訳で、作者は大根がどんな風に「エライ」のかを、研究(?したのかなぁ)、面白おかしく、この絵本で語ってくれています。
一見、ちっとも偉そうに見えない大根。しかし、大根はどう料理しても、なにと一緒にしても、「自分がでしゃばらず、相手の味を引き立てたり、やわらげたりして、一緒に美味しくなる」のです。
例えば、ぶり大根、イカと大根の煮物、さんまを焼いた横に、厚焼き卵の横に、天ぷらや、お蕎麦なんかにもあいますよねぇ。
でも、こんなに活躍しているのに、「大根」とつく言葉にあまりいいものがないんです。(確かにそうだァ。作者は目のつけ所がいい!)
「大根役者」なんてよくいいますが、この言葉の元は、大根が持つ解毒効果のおかげで、生ものと一緒に食べると「あたらない」ところから、「芝居があたらない役者」という意味でついたそうです。
(勉強になりますね〜)
大根は、ホントにすごかったです。
また、この絵本のオチが面白くて…。
作者は大根よ。もっと自己主張しろ!「オレが一番だ!」と。と、盛り上げるのですが。
しかし、そういうと大根はきっと
「いや、ボクはいいよ」
と、小さい声でいいそうな気がする。
う〜ん、確かにそんな気がします。
そして、この謙遜している時の大根のイラストが、またいいんです。 (てんぐざるさん 30代・ママ 女の子9歳、女の子4歳)
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