ほらほら、お皿の上の食べ残し、お茶碗についたご飯粒。そのままにしてるとくるよ、くるよ。
「こんなに のこして もったいない」
ね。やって来たのは、もったいないばあさん。お団子頭にもんぺをはいて、つえをつきながら言うのです。もったいなから私が食べるって。顔についているご飯粒まで食べさせろって……! でも、「もったいない」ってなんだろう?
もったいないばあさんは教えてくれます。お水の出しっぱなしや紙をぽいぽい捨てるのはもったいない、と。短くなったえんぴつだって、みかんの皮だって、工夫をすればまだまだ色々なことに使えるのだと。
どんなものも食べものも豊富にあるこの国では、「もったいない」ことを本当に実感することは少ないのかもしれません。それでも小さな子どもたちに「もったいない」の意味を知って欲しい、そんな作者である真珠まりこさんの強い思いから生まれたのがこの絵本。
どこからかやってくる「もったいばあさん」は、決して「ケチ」でも「こわい」だけでもなく、ものを大切にしながら生活するという基本的な考え方を、しっかりと教えてくれるのです。さあ、親子で姿勢を正して。その心を一緒に楽しく学びましょうか。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
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