変な題名ですね。「水たまりおじさん」の姿は白髪の髭を生やし、「かさ」をかぶり、何だか中国風?のいでたち。そんな異色なファンタジーを描いたのは、なんと「スノーマン」や「さむがりやのサンタ」のレイモンド・ブリッグズ。何だか年々ひねくれた様な変わったお話になっていく気が・・・。
水たまりに全部名前をつけた男の子。おじいちゃんと散歩に行くと(乾いて)全部なくなっている!なんでだ?おじいちゃんがおしゃべりしている間、一生懸命考える男の子。
すると道のむこうからやってきたのは「水たまりおじさん」。たくさんの水たまりを背負った(!)そのおじさんは形のあったみぞにそれぞれ水たまりをはめていきます。
最初はこの奇想天外な話に驚かされるけど、それよりも男の子とおじいちゃんのやりとりが凄くいい!男の子はおじいちゃんを、なんと犬のカラーに見立てて散歩に連れて行くのです。(ひももつけて!)怒りっぽいけど孫が可愛くて仕方が無いおじいちゃんは、ぶつぶついいながらも男の子の言う事を必死に理解しようとします。(無理だけどね。)そんな様子を見ているとやっぱり「じーじ」というのは子供達のは一番人気なのだなぁ、と納得。
ブリッグズと言えばコマワリ。それはもちろん健在です。そして、心がじんわりしてしまう後味の良さも健在の様です。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
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