「あげたおはなし」。なにをあげた?
あめがふって、たいくつだから・・・りょうてをあげた、てんぷらあげた、こしをあげてそとへでた。
みあげたそらにはにじがでた。だいすきなあの子にたからものあげた。
中山千夏のユニークで可愛らしいお話に個性的なイラストレーター達が絵をつけているシリーズ。
このお話は「がたんごとん がたんごとん」でおなじみの安西水丸の絵。なので、とってもシンプルでのほほんとしていていい感じ。
ことば遊びのかたちをとっているけど、私が好きなのは後半。きつねにもらった宝箱。大きくてうれしいけど、大好きなあの子たちにそれぞれ考えて、わけてあげるところ。
自分がもらったしあわせを、みんなに「あげて」とってもいいきもち!「あげるっていいね、うれしいね。」・・・なんだかとっても大きな事を言ってるような気がしませんか?
こんな力の抜けたぽわん、とした画面なのに。こんなのほほんとした女の子から(勝手に)メッセージを受け取ってしまって、こちらがうれしくなっちゃいました。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
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