ある日、漁師が舟をこいで川をさかのぼっていくと、いままで見たこともないみごとな桃の林が、両岸にどこまでも続いています。そして、みなれない山のほら穴から微かな光がもれていました。不思議に思った漁師はほら穴に入り、そろりそろりと進むと、突然、目の前が開け、土の肥えた田んぼやきれいな池が現れ、楽しそうな村人に出会いました。村人の話によると、大昔、先祖が戦争を避るため、この土地へ逃れてきたということです。そして、もう何百年も外の世界と行き来していないというのです。漁師が、この平和な美しい村で何日か過ごし、家に帰ろうとすると、村人は「ここで見たり聞いたりしたことは、誰にも話さないでほしい」と頼みますが……。 古代中国の大詩人、陶淵明の『桃花源記』にもとづいて再話された物語に、中国を代表する絵本画家、蔡皋さんが、大きな画面いっぱいに美しい絵を描いてくださいました。ページを開くとそこは心安らぐ理想郷。千五百年以上前に作られ、世界中の人々に愛されているこの古典を、新たな形で子どもたちにお届けします。
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世界を、この絵本のような桃源郷にすることはできないのか…
どうしたら一歩でも近づけるのか…
悲惨な事件や事故や災害、家族で、町で、学校で、政界で、国同士で、争いごとのニュースのない日はない。
それに慣れて、テレビで報じられるニュースは結局他人事でしかなくなっていき…
時には、この絵本を読み返して、慣れた日常をリセットし、平和に憧れる気持ちを忘れないようにしたいと思います。
中国に古典、陶淵明の『桃花源記』がもとになった話。
とても美しい絵本です。 (ピンピンさん 50代・その他の方 )
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