
薔薇の花咲く老人ホーム。 13歳の家出少女と、一筋縄ではいかぬ老女たちの かしましくも楽しい、共同生活がはじまる。
私も60年後、 彼女たちみたいに笑っていたい。 老いは切ない、でも愛おしい。
大事なもんが詰まったタイムカプセル、 開けてみませんか?
13歳の家出少女・奏が流れ着いた場所は、 海が見える町にたたずむ、不思議な老人ホーム『ラヴィアンローズ』だった。 咲き誇る薔薇が自慢のこの施設で、年齢を詐称して働きはじめた奏は、 薔薇園に隠されたある噂を知ることに・・・・・・。 40年以上のときを超えてその秘密が明かされるとき、 止まっていた、みんなの時間がふたたび動き出す。

13歳で家出をして老人ホームで住み込みで働くことになった奏。
ホームのオーナー姉妹をはじめ、そこで暮らすお年寄りという言葉が似合わないパワフルな女性たち。
その人たちと接していくうちに、奏は自分のなかの見たくなくて仕舞い込んでいた感情が徐々に開放されていきます。
奏は大人の期待通りに、いつもいい子でいよう、としてきました。
心のバランスが崩れていって、髪が真っ白くなっても、平気なふりをしてがんばっていました。
でも、心の奥にはどろどろと汚いものがながれている、そんな自分が許せなかったので、家出をします。
老人ホームで暮らす「プロの乙女」や家族の悩みを抱えながらも、明るく過ごしているホーム内のクラブのママや、そんな人たちと触れ合いながら、これから自分はもっと色んなことを知って、色んなことを覚えていくんだと前向きになっていきます。
後半はミステリーっぽくもなって、最後まで一気に読めました。
児童書ではないのですが、思春期でもやもやしている中高生におすすめです。 (おるがんさん 40代・ママ 女の子、男の子)
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