ある朝おきたら、うちのきんぎょ、クロールしてた(!)。
つぎの日は平泳ぎしてて、そのつぎの日はふつうで・・・
つぎのつぎの日、朝おきてみると
ぼくはきんぎょと一緒に泳いでた(!)。
ガラスの金魚鉢をのぞくおとうさんとおかあさんの顔がゆがんでみえる。
きんぎょがぼくに「ちかくでみると けっこういいかおだね」って笑う。
パジャマのまま金魚鉢で泳ぐ小さな「ぼく」がおかしくてかわいい。
読み手の母は、ふふふと笑いがこみあげてきて、なんだか幸せな気分です。
一緒に絵本をのぞきこむ子どもたちも「ぼく」になった気分みたい。
(子どもたちは「クロール」と「平泳ぎ」がまだわからなかったので教えてあげました。こう?とマネしてうれしそう)
えさをもらったり、水をきれいにしてもらったり、きんぎょと一緒に昼寝をしたり。
最後「あっ」・・・ぼくはおねしょしちゃって目が覚めますが(そうそう、泳ぐ夢みておねしょすること、ありますよね〜)、きんぎょはまるで知らない顔。
「うちのかぞく」シリーズのなかの1冊。
いつもの風景がぐっと縮尺を変えて目の前にあらわれる不思議に、大人も子どもも心をくすぐられて笑顔になります。
本を開けば空間がいつのまにか変わり(金魚鉢の中にいたりして)、パタンと本をとじればもとの部屋。
絵本の醍醐味を味わえる『うちのきんぎょ』を、ぜひ親子でおためしあれ!
(大和田佳世 絵本ナビライター)
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