雪のふった朝に、男の子と女の子がながぐつをはいて、外に出てみると、外は魔法がかかったようになっていました。枝のかげはしかのつののようだし、たくさんつもった雪はしろくまの背中のようです。イギリスのベスト・オブ・イラストレーション賞受賞の叙情豊かな絵本。
冬の抒情がやさしい言葉でつづられる詩の絵本は、表紙の淡い色合いを目にしたときから宝物絵本になる予感がしました。実際、鉛筆のモノトーンだけで描かれる雪模様の見返しデザインを目にして、本文を読まずとも予感が的中したことを確信。思ったとおりの絵本だったのです。
ほとんどのページが白を背景に鉛筆の輪郭だけで描かれる部分とくすんだ中間色からなる部分からなり、冬の透明感と時めきを上手く表現しています。グレーの文字を先頭に置く言葉の配列とタイトルの色使いも、同様のイメージをかき立てます。表紙題字は原書『Winter Magic』より雰囲気が出せているのでは。言葉と文字にシンプルな工夫が施された、冬の贈り物にぴったりの絵本ですね。
娘は冒頭、モノトーンの犬と色ページの小鳥(足跡つき)を見て、「かわいい! これ、だ〜いすき!」と言って絵本を抱きしめました。色と空間使いが巧みなので、動物たちの息づかいが伝わってくるのでしょう。 (ムースさん 40代・ママ 男の子12歳、女の子6歳)
この作品を紹介しているサイトを見る
>>> ユウchan「ふゆのまほうつかい」
|