小さなお子様がいる方が見ると「そうそう、こんなだった!」とまだまだ新鮮な懐かしさで見てしまうし、そうでない方が見れば「赤ちゃんて一年でこんなに成長するの?」と驚くに違いない写真絵本。赤ちゃんの写真の載っている本はよく見かけても、一人の女の子の一年間をここまでクリアに見せられたのは初めて。一ヶ月ごとの赤ちゃんの成長した全身の姿がページの左側に大きく写されています。一目瞭然で大きくなっていくのがわかります。自分の子供の赤ちゃんの頃を追体験している様。
そして、この絵本は5歳のお姉ちゃんになる女の子の目を通した言葉で妹の成長ぶりを驚きととまどいの素直な気持ちで語られます。
産まれて一時間後、「わーい、やった、やったぁ!あかちゃんがうまれたの。」一週間後、「まだへその緒がついてる!」3ヶ月後、「おててしゃぶっったよ。」
いつしか気持ちが一緒になって他人事とは思えなくなってしまいます。そして最後一歳になった妹に「ねぇね」と呼びかけられる場面ではこちらまで感動してしまったりして・・・。
赤ちゃんていうのは本当にみんなの宝物なんだなぁ、と実感させてくれます。弟、妹の出来る子や、赤ちゃんにあまり触れる機会のない子供達、もちろん自分の赤ちゃんの頃なんて覚えていない大人にも見て欲しい一冊です。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
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