偉大な科学者ガリレオ・ガリレイの生涯を描いた伝記絵本です。 何千年もの間人々が信じて疑わなかった「天動説」を疑い、夜空を観測し続けて確信した「地動説」を説いたガリレオは、絶対的な権力を持つ教会の恐れと怒りを買い、宗教裁判で有罪とされますが、自分の目で見たことを信じる理性と勇気を持ち、信念を曲げませんでした。 人の言うことを鵜呑みにせず自ら考え、判断する力が求められる時代に、子どもたちがこの偉人の生き様から学ぶことは大きいにちがいありません。
(まなびナビ編集部)
コールデコット賞推薦 権力に屈せず地動説を唱え続けた結果、宗教裁判にかけられ、有罪となってしまったガリレオ・ガリレイ。信念を曲げず真実を求めた科学者ガリレオの生涯を、美しいイラストで織りあげた珠玉の絵本。精緻な絵と見事な手書き文字は必見。子どもも大人も楽しめます。
聖書の天地創造説話にもとづいて天動説をとっていたローマカトリック教会の世界観への挑戦は、コペルニクスに始まり、ガリレイ、ニュートンへと受け継がれてきました。
ガリレイの亡くなった、17世紀のヨーロッパは「科学革命の時代」とよばれるほど、近代的合理主義の思想や学問が本格的に確立されて、自然界の研究が進歩した時代です。
その礎あるいは、人柱となったのがガリレイといえるでしょう。
自ら発明した倍率30の望遠鏡で、天体を観測して地動説に有利な事実を多数発見しましたが、1615年ローマ教会は、地動説を禁止しました。彼はその後も、観測を続け、1632年『天文対話』を刊行、地動説を擁護した廉で宗教裁判にかけられ、地動説の放棄を誓約させられ、配所で亡くなっています。
この絵本を手にし、すぐ、中世フランスの王族ベリー公ジャン1世の装飾写本『ベリー公のいとも豪華なる時祷書』を思い浮かべました。
さっそく、書棚から関連資料を出してきて見比べてみました。
まさしく、同じ空気を感じました。
今の時代に、このような本を描く人がいるのかと驚きとため息でした。
なんと、精緻なことか、独特の絵本の世界観があります。
各ページ、一切の妥協が見られません。というよりも、許さないプロフェッショナルの厳しさが伝わってきます。
息子も見比べて、「同じ人が描いたのかと思った。」と言っていました。ガリレイについては、少々聞きかじっていた彼も、静かに1時間ほど、縦にしたり横にしたりこの絵本と向き合っていました。
中高生や大人も十分に学び楽しめる感動の一冊になると思います。
“それでも地球は動く”は、宗教裁判で地動説放棄を誓約させられ、退廷させられた時に、振り向いて言った一言だったとか…。 (アダム&デヴさん 50代・ママ 男の子10歳)
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