すべてのお母さんに贈る、はげましの詩
ニュージーランドを中心とする英語圏に、赤ちゃんを育てている母親たちにエールを送る詩が伝わっています。子どもの世話に大わらわで、余裕をなくしているお母さんに、たびたび打ちよせる自己嫌悪の波……。その背中に、この詩のことばは、"たしかに、いろいろ完璧にはできないかもしれないね"と、そっと手をあてます。"でも、いま、かけがえのないこの子をいつくしんでやれているのなら、それで大丈夫なんだよ"と。子を育てるひとにやさしく寄りそう詩行は、作者未詳のまま、口コミでひろまり、世界中の養育者を励ましています。その英詩を、詩人の伊藤比呂美さんが日本語に訳した「今日」も、いつのまにか、知る人ぞ知るものとなっている。公共空間のなかでそっと息づく詩というのも、おもしろい在りかただったかもしれませんが、それにいま、ふさわしい絵によって、たしかな形が与えられました。すべてのお母さんに贈る、小さな本です。
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