雪でおおわれた北国の大地を、音もなくクロテンが歩いています。かすかにただよってくる獲物のにおいをたどって、クロテンはいっきに獲物を追いつめます。危険を察知した獲物は、すばやく逃げてゆきますが、獲物が逃げた最後の場所は行き止まりの崖。だが、絶体絶命のピンチにたった獲物は、はるか遠くの森に「飛んで」いったのでした。「飛んで」いった動物は、モモンガでした。ロシアの作家ビアンキが動物の世界をあたたかく、そして優しく描きます。
暗闇の森の中、月明かりで雪が輝く。
いっぴきのけものが、獲物をさがして音もなく近寄ってくる。
危険を察知した空色の小さなけものが、すばやく逃げていく。
追うものと追われるもの。
2匹の死闘が続く。そして・・・
ドキドキ感のある文章は、私たちを物語の中にグイグイと引き込んでいきます。
あべ弘士さんの絵によって、物語はさらに深みを帯びていきます。
冬の森の中で、一生懸命に生きている動物達の世界。
私たちにも、この絵本を通じて生きることの素晴らしさを教えてくれています。 (多夢さん 40代・ママ 女の子6歳)
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