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少年ラージャンの猿は、昔から村人を苦しめる恐ろしい悪魔に「あなたのためにおよめさんを見つけてあげる」と告げ、悪魔を大喜びさせます。猿は木彫りの人形をおよめさんと信じ込ませ、悪魔からたくさんの財宝をせしめます。首都カトマンズに華やかな王朝文化を築いたネワール族に伝わる民話。人里離れた屋敷に住み、欲しいものを何でも奪い、人を食べてしまう恐ろしい悪魔「ラチュス」を、機知に富んだ猿が退治するお話です。
悪いものを、正義感の強いものが退治する、という昔話に多いパターンですが、わくわく楽しめる本だと思います。
年中組で読んだときは、ちょっと難しかったのか、飽きてしまう子もいました。悪魔やお人形など、ちょっとなじみの薄いものが出てきますが、ストーリーは、理解しやすいものだと思います。
悪魔でも、人のように涙を流して悲しんだり、だんだん心がやさしくなっていく様子や、賢いサルとのやりとりが痛快で、見ていてすっきりします。
よく見ると、絵柄も細かく丁寧で、大人でも楽しめるかもしれません。 (ジャムおばさん 20代・せんせい 男の子1歳)
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