図鑑には知識を知ることの楽しさ、観ることの楽しさがあります。その上に、物語りがついて読む、聞くことの楽しさが加わった日本で最初の『ずかん絵本』が誕生しました。男の子、女の子、ふたりの主人公が里山を歩きながら、そこに生息する生き物を紹介します。もちろん図鑑ですから、生き物や植物は細密でわかりやすく描かれ、それらの生き物と親しむときのアドバイスも付いています。
第1巻「いきもの」では、夏の里山を舞台に、チョウやトンボ、ヘビやクモ、ザリガニやドジョウなど、さまざまな生き物たちに出会った喜びや、驚きを描きます。
第2巻「くさばな・木」では、第1巻と同じ舞台で、季節は秋。草をかじってみたり、においをかいでみたり、植物が持っている特質を描いています。
第3巻「あそび」は、舞台は同じ里山で、季節は、春、夏、秋。道ばたの雑草で首飾り、クモの巣でセミとり、クズの葉でクリスマスツリーを作り、自然の中で遊ぶ楽しさを伝えます。さらに、付録では、本書に登場する全ての生き物を実物大で描いています(サイズ61×86cm)。名前と掲載のページも示していて、索引としても使えます。
いつでも、どこでも、見たいときに、持ち運びの出来る便利な図鑑。きっとさまざまな生き物との出会いが楽しくなりますよ。 1969年に月刊科学絵本〈かがくのとも〉が創刊されて30余年。子どもたちの好奇心が大きく育つことを目指して〈かがくのとも〉は誕生しました。『みつけたよ! 自然のたからもの』は、〈かがくのとも〉の歴史を礎にして制作されたものです。この本をきっかけとして、ひとりでも多くの子どもが、自然との楽しい出会いを経験できるよう願っています。
みつけたよ! 自然のたからもの
第1巻「いきもの」
夏の暑い日です。いと子同士のソウ(男の子)とマユ(女の子)は、畑にいるおじいちゃんに会いに行きます。家を出たところで、ダンゴムシを見つけました。もやもやとしたたくさんの足をもったダンゴムシを見て、虫のきらいなマユは、驚いて逃げてしまいます。でも、お団子のように丸まったダンゴムシは、とてもかわいいのです。マユにとっては、新しい発見でした。今まで見るのも、さわるのも嫌いだった虫たちに、マユは興味をもっていきます。子どもたちの目線に立った「物語り」を展開し、身近な「いきもの」を優しく描きます。夏編です。
みつけたよ! 自然のたからもの
第2巻「くさばな・木」
エノコログサを「けむしだぞ」といって、ソウはマユにエノコログサの穂を投げます。でも、もうマユはこわくありません。夏に体験したことが、生きているのです。第2巻は、秋編です。第1巻と同じ場所に、秋の草花が見えます。花が咲き、実となります。実は、いきものたちの食べ物となり、排泄物から出たタネは、ふたたび芽を出します。植物のもつ生命力の強さ、いきものたちは知らず知らずのうちに植物のタネ植えをしている、そんな自然の仕組みをソウとマユの目を通して描きます。
みつけたよ! 自然のたからもの
第3巻「あそび」
遊びに、道具はいりません。ソウとマユが遊ぶ里山には、たくさんの草花があります。草花をつかって遊びます。葉でお面をつくり、実でクリスマス・リースをつくります。小川では魚を追い、川原では水切りをします。春、夏、初冬の季節を通して、さまざまな遊びを紹介します。
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