
音一つ聞こえない、静まりかえった夜明け前の湖。まだ暗い中、湖畔の木の下ではおじいさんと孫の少年が毛布にくるまり寝ています。空には月一つ。岩や木の葉に光を浴びせ、あたりを見守ります。静寂の湖に、やがてさざなみが立ち、もやがこもり、こうもり、蛙、鳥たちが目を覚ましました。おじいさんと孫は起き、ボートで湖に漕ぎ出します。そのとき、二人を包み込んだ光景は……。


自然の静寂さと雄大さが、作品の中で体感できる美しい絵本。水彩画で描かれた各ページからは、空気、音、風、光の微妙な変化が感じ取れ、1ページごとの余韻が心に染み入ってきます。言葉はほんのわずかで絵がすべてを語る分、五感すべてに訴えるインパクトを持ち合わせた作品とも言えます。 唐詩「漁翁」(詩人柳宗元作)をもとにしたというモチーフは、東洋の文芸・美術に造詣の深い作者の感性をいかんなく表現。夜明けを迎え、ほんの少しずつ表れる変化が静かに的確に描写され、湖での夜明けを体験したことのない人でもその素晴らしさが心で味わえることでしょう。唐詩「漁翁」は『わたしの唐詩選』(中野孝次著)で紹介されています。 ――(ブラウンあすか)

静まり返った夜明け前の湖のほとり。と一瞬さざ波が立ち、すべてが動きだす。コールデコット賞受賞作家が、時の推移と音の世界を絵で再現した美しい絵本。

小学校のおはなし会などで、高学年に時々読みます。
3年生のわが子に読んだ時は、『おともなく…』と始まり、淡々とした運びに、子どもに「…こわい…」と言われてしまいました(T_T)
詩的な文章というか、詩そのものなんですが、ゆっくり、間合いを大切にしながら、ゆったりとした気持ちで読むといいようです。
よく見ると、おじいさんはいつも笑顔です。孫に向ける穏やかな表情が温かいです。
終盤、日の出と共に湖と山が青くなる場面は圧巻です。
ホント、言葉は要らないというのは、こういうことですね…。
私事ですが、いつも読むばかりで、読んでもらったことがありません。
いつか誰かに読んでもらいたいです。
文句なく素晴らしい、イチオシの絵本です。
シュルヴィッツ氏は、『空飛ぶ船と世界一のばか』の挿絵も書いていらっしゃいますが、お話が変わるとここまで画風も変わるのかと、驚きです。
(『空飛ぶ…』も小学生に読み聞かせのお薦めの絵本です。) (あまたろうさん 40代・ママ 女の子8歳、男の子8歳)
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