中国のハルピンで終戦を迎えたえっちゃん。明るく懸命に生きていますが,一人の大切な友だちが目の前で死んでしまった時,本当の「戦争」を知ったのです。岸川文学の原点といえる実話。
中国ハルビンで終戦を迎えた、日本人移民の少国民えっちゃんがみた戦争が、生々しく描かれています。
体験したからこそかける作品でしょうか。
戦争というものを、家族を見る目で、生活感、臨場感たっぷりと、子どもの視線で描いています。
父がシベリアに行ってしまったこと、主戦直後ソビエト兵が乗り込んできたこと、帰国の船の上で友だちのたっちゃんが死んで海に葬られたこと…、それらが淡々と描かれていて、記憶の断片を拾い集めているかのようです。
哀しい話ですが、感情に訴える作品でないだけに、響いてきました。
えっちゃんの純粋さにうたれました。 (ヒラP21さん 60代・パパ )
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