ふんわり優しいひかりの色。 きょうも太陽がほほえんだ。 そのほほえみの中で、芽がうまれ、虫もうまれ、色がうまれる。 にぎやかな音がうまれては消え、ぬくもりがうまれてはつつみこんでくれる。 ・・・そして、ぼくもうまれた。
ああ、すべてのものには“うまれる瞬間”があるんだなあ。 きくちちきさんが描く「たんじょうの話」は、やわらかくて、あたたかくて、美しい。 色も線も、言葉ひとつひとつも、これからうまれてくるものを祝福してくれているかのよう。
太陽がまぶたを閉じれば、今度は星たちがうまれる。 「おやすみなさい」 うまれたばかりのぼくを見守るのは、おかあさんの笑顔。 そこにうまれたのは・・・
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
太陽がほほえむと、芽がうまれ、虫もうまれ、色がうまれ・・・そして、ぼくもうまれた。 やがて夕方になり、太陽がまぶたをとじると、星たちがうまれる。 太陽が見守る中で、すべてのものがうまれていく。 すべてのものにある“うまれる瞬間”を、美しく描いた絵本。
ふんわりとやさしい気持ちになれました。
内容のこともありますが、色あいや水彩のにじんだ感じから、そんな印象を持ちました。にじみは、混沌としたものの中から、何かがうまれる感じがよくでていると思います。
「うまれる」とは、もちろん「命あるものが生まれる」ということもあるのですが、この絵本では、さまざまな「事象が生ずる」ことにも及んでいます。
そう考えると、私たちのまわりは、刻一刻と、「生まれる」ことの連続だなぁ〜と、とても新鮮な気持ちになりました。 (なみ@えほんさん 50代・ママ )
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