「うそ」にはいろいろあるけれど
こんなにワクワクしちゃうユーモアたっぷりの「うそ」ならゆるしちゃう?!
「このあいだの はなしなんだけどね。」
バナナをむきながら、男の子は友だちに得意気にはなしだします。
おなかがすいててバナナをむいたら、
「チョコバナナだったんだ!」「うそだあ!」
目を丸くしている友だちを尻目に男の子の話はどんどんエスカレート。
のどがかわいたから、ジュースをのもうとおもったんだけど、
うちのジュースは、
「すいどうの じゃぐちからでるんだ!」「うそだあ!」
いやいや、まだまだ、もっともっと。
男の子は、ジュースをごくごくごくごくのみほして、
おなかが風船みたいにパンパンにふくらんで、おなかをボリボリかいたら
おへその栓がぽんっ!てとれて、おへそからジュースがぴゅーっと勢いよくでて
そのままロケットみたいにとんでっちゃったんです!!
「うそだあ!」
どこまでもどこまでも続く奇想天外な楽しい「うそ」。
信じられない友だちは、思わず「うそだあ!」を連発!
この繰り返しがなんとも愉快で、子どもたちへの読み聞かせにぴったりなのです。
サトシンさんのユーモラスで遊び心あふれる素敵な「うそ」の数々を
あたたく温もりたっぷりに描かれたのは、山村浩二さん。
こんな「うそ」のお話ならいつまでも聞いていたいなぁ。
でも、本当にすべて「うそ」だったのかな?ちょっぴり信じたくなる可愛いお話です。
(富田直美 絵本ナビ編集部)
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