ある朝、宿題を忘れてしまったゆうすけくん。
このままだと、先生に「追加の宿題」をさせられる!
とっさに、おなかが痛くて宿題ができなかったとウソをつきますが、話すうちにどんどんボロが出て、結局バレてしまいました。
「ウソつくなら、すぐばれるようなのはだめだよ。もっと、ばれないようなので、それから、聞いた相手が楽しくなるようなのじゃなくちゃ」
そう言ってニヤリと笑う、えりこ先生。
それなら、よーし、見てろよ!
「先生、しゅくだい忘れました!」
次の日、さっそくはりきってそう報告したゆうすけくん。
理由をきかれて、さあ、待ってました!
ぼくが宿題できなかったのは・・・宇宙人のせいなんです!
「先生、おれ、たぶん明日宿題忘れます」
「ずるい。明日はわたしが忘れようと思ったのに」
「おれも宿題忘れたい」
「じゃあ、順番にしようよ」
そうしておかしなことに、みんなは順番に「宿題を忘れる」ことにしました。
どうして宿題をすることができなかったのか、そのおかしな理由を毎日ひとりずつ話していく、クラスのみんな。
ところが、その日に宿題を忘れてきたのは……なんと、えりこ先生!
「あんまり賢くない宇宙人のせい」や、「野ネズミの恩返しのせい」など、クラスのみんなが話す、「宿題をできなかった理由」がとってもユニークです。
ウソをただウソとかたづけずに、想像力を自由に遊ばせる方法としてとらえ直すその考え方に目からウロコ!
なるほど、ウソのいなし方にはこんな方法もあるのかと、納得させられます。
物語をつむぐ楽しさ、そしてそのむずかしさを描いた、胸躍ることうけ合いの一冊です。
「そりゃあ、プリント作るの忘れてもしかたないね」
クラスのみんなも納得、えりこ先生が宿題を忘れた、その壮大な理由とは?
(堀井拓馬 小説家)
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しゅくだいをわすれたゆうすけ。しどろもどろに口からでまかせのウソでいいわけをしていると、えりこ先生が「だめだなあ、ウソをつくならもっと上手につかなくちゃ」「え?」「すぐばれるようなのはだめよ。それから、聞いた相手が楽しくなるようなのじゃなくちゃ」「楽しくなる?」「そう。聞いた人がウソとわかっても、はははってわらっちゃうようなのじゃなきゃ」「じゃあ、上手にウソがつけたら、しゅくだいやってなくてもしかられないってこと?」「そうねえ。だって、だまされちゃったらしかたないし」といって、えりこ先生はにやっとわらった。…次の日から子どもたちはしゅくだいができなかったわけを考えてきて発表することに…。
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