木の筒をジャラジャラ振って、出てくる棒で運勢を占う、おみくじ。神社へお参りしたときは、必ずおみくじをひくという方も多いのでは。ちょっとした運試しなんて思いつつ、ひくときはみんな真剣そのもの。結果に一喜一憂してしまったりするものですよね。
「2回連続『凶』が出た!」、「あの子ばっかりいつも『大吉』!」、「ここのおみくじどうなってるのー?!」なんて思ったこと、ありませんか?
そんなとき、おみくじの箱の中では、こんなことが行われているのかも・・・?
こんな会話が聞こえてきます。
「おやぶん、こんどの にんげんは おさいせんを ケチりましたー!」
「なに!?よし、大凶、おまえがいけ!」「へいっ」
「おやぶん、つぎの にんげんは すっごい べっぴんさんです〜!」「よし、おれが いこう♪」
箱の中で話しているのは、おみくじの棒たち。えらそうなヒゲを生やしているのが、おやぶんの大吉。おみくじの結果は、おやぶんの大吉の気分次第というわけです。
そんなある日、おみくじたちの声を聞いてしまった男の子に、小吉の棒が持ち去られてしまったから、さあ大変!「小吉をかえしてください〜!」おみくじたちは、泣いて神頼み。いったい、どうなってしまうのでしょう。
絶妙な設定がユニークな、きたあいりさんの作品。1作目の「おしゃべりメニュー だれがいちばん?」(ひさかたチャイルド)に続き、ユーモラスな雰囲気と場面展開の楽しさが、読み聞かせにもおすすめです。読んだ後のおみくじは、余計にワクワクしてしまいそう。初詣の時期にぴったりの一冊ですね。
(掛川晶子 絵本ナビ編集部)
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