おにぎりの定番具材梅干し。
見るだけで、口の中が酸っぱくなって、ヨダレが出てきて、
食べると、大人も子どももお年寄りも、みんなしわくちゃな顔になる、
日本人に最も身近な食材です。
でも、梅干しがどうやってできるか、知らない人も多いと思います。
そんな時には、この絵本。
梅の花が咲いて、小さな実ができ、塩漬けされて、天日干しされて、漬けられて、
立派な梅干しになるまでを「うめぼしさん、うめぼしさん」と語りかけるような文章で
教えてくれます。
文章を彩る絵は、どこか懐かしさを感じる、和風のタッチ。
小さな実のときは母親に守られている赤ちゃんのような幼い表情が
次第に若者のようなハリのあるヤンチャ顔になり、
おひさまとにらめっこをして少しずつしわが増え、
最後は優しい成熟した梅干しになる…。
ましませつこさんの描く、梅干したちは、
どこか人間のような親しみと愛嬌が感じられます。
中でも特にオススメなのは色っぽいシソの葉姉さんの登場で、
ぽっと赤くなる初心な梅干したち。
妙に色っぽいシソの葉姉さんの流し目もみどころです。
(木村春子 絵本ナビライター)
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