お習字得意な「むつき」さん、お料理得意な「きさらぎ」さん、お絵描き大好き「やよい」さん・・・。
旧暦の月の名前がついた、ふくふく、にこにこ顔の、おふくさんたち。
山の奥深くにある家で、仲よく暮らしています。
ある日、金棒を持ったおにが、「いまから おまえたちを こわがらせてやるぞ!」とやってきました。
けれども、おふくさんたちは、へっちゃらです。
「こわい かおは、つまらない!おにさん、いっしょに わらいましょ!」
いろんな手をつかって笑わせようとしますが、おにはなかなか笑ってくれません。
失敗したっておふくさんたちはへいきのへっちゃら。
「おにさん どうすりゃ わらうかな?」
また考えて、どうにかおにさん笑わせよう!
はてさて、強面のおにの笑顔は見れるんでしょうか?
おにを笑わせたものとはいったい何だったのでしょう?
表情豊かなおふくさんといっしょに笑っているうちに、子どもも大人も笑顔になってしまうはず。
画面いっぱい、ずらっと並んだおふくさんたちの顔ったら!
そして、おにの笑いをこらえる表情も必見です。
この場面は特に、子どもたちの、とびっきりのふくふく笑顔が見られそうですね!
奥付にある、作者服部美法さんのことばをご紹介します。
「つらいとき、かなしいときは、みえない おにが やってきて
『おまえを こわがらせてやるぞ』って にらんでいる。
でも、そんなときこそ、おもいっきり わらおう。
わらって、わらって、おにも、わらわせてしまえ。
いっしょになって わらいとばせば きっと・・・
わらうかどには ふくきたる!」
1年をみんな笑顔で過ごせますように。
そんな願いをこめて読みたい一冊です。
(掛川晶子 絵本ナビ編集部)
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