作物を育てる14匹の労働と収穫の喜びが、かぼちゃの発芽から開花、実になる過程を通して、それぞれ畑の一風景の中に描かれます。大きなかぼちゃに成長するまでを見守る子供たちのまなざしは、真剣そのもの。虫がつかないように、風雨の被害を受けないようにという収穫までの苦労は、体験者でなければわからないものでしょう。自然と触れ合い、苦労あっての喜びを分かち合う生活本来の営みを、14匹が教えてくれるかのようです。
冒頭に「命の粒だよ」と説明してくれたおじいちゃんの言葉どおり、かぼちゃの実は生命の象徴であると同時に、貴重な食料源でもあります。かぼちゃパイ、スープ、煮物、おまんじゅう……に舌鼓を打つ14匹を見て、今夜のおかずはかぼちゃにしようと思う読者も多いのでは。団らんの中の食事風景には、幸福が満ちあふれています。
――(ブラウンあすか)
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