戦後まもない時代、
青年は新しい長編童話を志し、
やがて、日本を代表する児童文学作家となった。
現代児童文学のはじまりの時代、
創作と生活の日々をみずみずしくえがいた
佐藤さとるの自伝小説。
学生時代から童話を書きはじめた主人公は、児童文学者 後藤楢根の紹介で長崎源之助と出会い、ふたりで『玉虫の厨子の物語』で知られる平塚武二に会いに行く。創作への気持ちをおおいに励まされたふたりは、平塚に師事することになり、そのすすめで、いぬいとみこや神戸淳吉らと、同人誌『豆の木』を創刊する。
同人誌『豆の木』にあつまった仲間たちは、のちに『だれも知らない小さな国』(佐藤さとる)や『木かげの家の小人たち』(いぬいとみこ)など、それまで日本になかった新しい児童文学を著すことになった。
童話『ふしぎな塔のものがたり』、『てのひら島はどこにある』のもとになった短編『てのひら島の物語』『井戸のある谷間』を収録。
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